まどか叛逆BDのオーディオコメンタリを百合オタ視点で聞いてみた
左耳にだけピアスをしているのはレズビアンの印とかいう普通に生きているだけなら必要のない知識を仕入れるきっかけとなった『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』のBDが先日届きました。増税後の混乱に巻き込まれることなく発売日に届いたことに感謝し、その日の内に開封してありがたく視聴しました。
本来ならば、ここでネタバレ感想をば、といきたいところですが、しかし「まさかこういう展開でくるなんて意表を突かれました! とても面白かったです!」などと無知を装って真っ当な感想を書くにはあまりにも時期を外してますし、加えてそういった感想や考察はネット上のあちこちで繰り返されているだろうし*1、何より書いてる僕自身が途中で飽きて窓からキーボード投げ捨てるだろうなと思ったので、少し趣向を変えました。
まどかBDにはオーディオコメンタリーがついています。
キャラクターを演じる声優さんたちがワイワイやりながら作品に対して語っているものです。中にはファン顔負けの深い洞察コメントが飛び出したりもして、その熱さはテレビシリーズのBDでも証明済みです。
個人的に今回の劇場版は、キャラクター同士のやりとりの中で百合レーダーが反応するシーンがテレビシリーズよりもあったので、その場面で声優さんたちはどんな風にコメントするんだろう? というのが気になりました。というわけでこの記事は百合オタ視点で百合っぽいシーンに対する声優さんたちの反応をピックアップしていきつつ感想を述べていくという趣旨です。声優さんの発言を抜粋してますが、最低限意味が通じるように書いただけで正確さはありませんので、気になる方はBD買って聞いてください。*2
一応ネタバレ注意。
さてさっそくです。OP後まどか・杏子・さやかが登校している場面でまどか役の悠木碧さんがめっちゃ反応してます。
「制服着てるよ杏子が! まどかと一緒に登校してるよ! まどかと杏子たんとの間にやっと深い共通点が出来た! やっぱりまど杏だよ!」
やべっレベルたけっ。
ただ登校してるだけのシーンなのにいきなりまど杏というマイナーカプが出てくるなんて思ってもみませんでした。テレビシリーズ終了から数年経ってさえも燃料が皆無に近いマイナーカプを推し続ける姿勢は積極的に見習っていきたいですね。そういえばテレビシリーズBDのオーコメでも杏子が出てくるシーンはずっと「杏子たんだ! 杏子たん杏子たんハァハァ」って言ってた気がします。それ最早あお杏じゃねーの?
その後も悠木さんの杏子LOVE発言はとどまるところを知りません。
(杏子役の野中藍さんが登場して)
「主に杏子ちゃんのことばかりしゃべっていました」
「あの椅子ほしいなー。杏子ちゃんが座っていたし」(他のキャスト引き気味)
(マミさんが5人の中で一番強いという発言を受けて)
「いや杏子ちゃんも強いとおもうんだけどな……」
もうスルーする方向でいきます。
次いってみましょう。
魔法少女5人が屋上でそろって「がんばっていこうね」とほむらを迎えているシーン。まどかがほむらの手をとっているシーンで今度はほむら役の斉藤千和さん。
「この時の(ほむらの)トキメキ半端ないよね。ドキドキが止まらないよ」
すごいです。もはやほむらがまどかに恋しているのが声優さんたちの間でも周知の事実っぽいです。ただ、それ以前としてテレビシリーズでは濁されてましたけどね。それ、二次創作の設定ですから。でもその事実もこの映画のオチを見ると確かに納得ではあるのですが。
さて、だいぶ飛びます。
ゴンドラでほむらがまどかに押し倒されているシーンです。
この場面のオーディオコメンタリーは美樹さやか役の喜多村英梨さんが一人でやっています。一人ということで自制が効かなかったのでしょうか、衝撃のコメントが飛び出します。
「独断と偏見の感想ですけど、結構百合っ、百合っぷるってるの多くないスか? カップリング描写も面白いと思っててー。そういう意味でも(直前のシーンの)ほむさやはうれしかったですね」
えっこれ本当に公式がゴーサインだしたんですか?
喜多村さんの趣味に関して多少聞いたことはあったのですが、完全にこっち側の人間じゃないですか。やっぱりまどかは声優さんたちも認める百合(が楽しめる)アニメでした!
ちなみに僕も今回の劇場版で一番可能性感じたカプは悪魔改変後のほむさやでした。ありがとうございました。
少し話が本筋からずれたからか、それとも自分の趣味の話になったからか、その後も堰を切ったかのようにカップリングの話題が続きます。
「黒とピンクのカップリングがでふぉって感じだったんですけど」
「それこそ黒と赤のところもありましたし」
「杏子ちゃんはさやかちゃんの家に居候してるから赤青コンビ好きな人にはたまらん設定だったりしますけど」
「尺足らずでその描写はなかったけど、どうしてんだろ。ずっとイチャイチャしてんのかな」
もうあなたが優勝でいいよ。
次はほむら魔女化後の杏さや背中合わせシーン。
ここでのキャストは悠木さん、斉藤さん、キュゥべえ役の加藤英美里さん。
「あー! あー!」
「わー」
「サービスシーン……」
言葉にならないようです。
そして最後のピックアップはやはり今作イチの衝撃的なシーン。
ほむらが悪魔となり、自身の心情を吐露するあのシーンです。
希望より熱く
絶望より深いもの……
愛よ
ほむらの愛について、です。
このシーン。百合オタにとってはかなり決定的なシーンですが、役として演じた声優さんたちはどういう風に受け止めてるんでしょうか?
すごく気になります。
さて。
この映画一番のハイライト。
その部分のオーディオコメンタリーはどういったものになっているのでしょうか。
……。
あれ?
スルーして普通にスト―リーについて語ってる……。
そ、そうきたかー。
ま、でもこれは想定内です。実は、おそらくこのシーンに通ずる会話がこれより以前にありました。1時間20分前後。ほむらが魔女化直前の、斉藤さんと悠木さんの会話です。
千「ほむらの愛情表現を見て怖いなと思ったのね」
碧「潔癖ですよね」
千「それとすごく自分本位じゃない? 愛情が。自分の世界に閉じ込めて、自分の理想的な相手にするってのが」
碧「でもなんか思うんですけど、このぐらいの年齢残ってそういう感情が湧いてくるってのがすごく思うんですよ。中学生くらいの年代だと、友達に嫉妬したり。このぐらいの年齢の子たちって複雑なんだなぁって」
加えてほむらが神まどかの手をとったシーン。
千「だいたい世の中にある愛情ってこっちのほう(エゴにまみれた自分勝手な)が多いんだよ。普通に両想いで相手を尊重できるって形のが少ないじゃないかって」
碧「でもこれって、だから悪いことじゃないんですよ。普通なんですよ。むしろまどかの博愛のほうが世の中には少なくて、ほむらのほうが普通なんですよ」
このあたり、やっぱりキャストさんの間でも意見が分かれているみたいですね。
演じた役なんかで考えが割れているような印象を受けます。
さまざまに解釈が分かれる本作の縮図を見ているかのようです。
愛に関してコメントをと言われても難しいのもあるのかもしれません。
「絶対的な正義とか悪とかってないからなー」というあたりに話は落ち着いてました。
と、ここまで百合がどうのというコメントに注目してきましたが、それを抜きにしても、キャストの皆さんのコメントはほんとに面白いです。作品に深く言及したものや演じたキャラやその他のキャラに対する演者ならではの解釈なんかが聞けて新しい発見ができたりもしました。やー聞いてよかったです。
さて、まじめな話、この映画の続きは、売上的にも、スタッフのモチベーション的にも問題はないと思うので、また情報がでるまで気長に待つことにします。やっぱまどか☆マギカは面白いなぁ。
あ。
そういえば劇場版に便乗して刊行されたすずね☆マギカってどうなったんですか? まさかお蔵入りとかになってませんよね? 待ってます。一応。