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メモ用紙を貼っ付けるコルクボードです。主に感想・雑文用。感想系はネタバレあるんで注意。

ラブライブ!(アニメ)の再放送にかこつけて、高坂穂乃果について考えてみた。

 さて最後に高坂穂乃果の話。

 ただし、穂乃果の話をしようとしてもラブライブ!(アニメ) 全体の話になってしまうかもしれない。それくらい穂乃果はラブライブ! という物語において重要なキャラクターだ。

 

 

ラブライブ! という物語

 

 ラブライブ! とは夢を目指す過程を描いた物語だ

 それは、「叶え! 私たちの夢!」というアニメ化前からのキャッチフレーズにも現れているとおり。

 だから穂乃果という本筋に密接に関わっているキャラクターを考えるときも、穂乃果というキャラクターがどのように自身の夢、目標を捉えているかといったことに注目すると何が描かれているのかが見えてくる。

 本記事はストーリーの中で穂乃果の目標、夢がどのように変化していったのかという点に重きを置いて書いていく。

 

穂乃果の物語

 

 では、穂乃果を見ていく上で具体的にどの話が重要なのだろうか。それを知るには各話で何が描かれていたのかを見ていくとわかりやすい。というわけで簡単にまとめてみる。

 

1話 穂乃果たちが廃校を阻止しようとスクールアイドルを始めようとする

2話 穂乃果たちがスクールアイドルを始めるための準備にとりかかる

3話 穂乃果たちがファーストライブを行い、目標を新たにする

4話 花陽たち一年生組がμ´sに加入する

5話 穂乃果たちが部室を獲得すると同時に、にこを勧誘する

6話 リーダー会議が行われ、可変センター式になることが決まる*1

7話  ラブライブ!出場のための試験対策と、絵里の掘り下げが行われる

8話 絵里と希がμ´sに加入する

9話 μ´sメンバーがメイド服を着たついでに秋葉原でライブをやる

10話 真姫が心を開く過程と希が抱いていた想いが描かれる

11話 穂乃果が突っ走って文化祭ライブで失敗する

12話 穂乃果がスクールアイドルを辞める

13話 穂乃果が立ち直る

 

 各話をごくごく簡単に書くとこんな感じ。主語はその話で主体的に動いたキャラクターを意識して書き出してみた。無生物主語だったり、主語が複数の話は、特に誰にスポットが当たっていたわけでもないと判断した回だ。こう書いてみると穂乃果が本筋に関わってくる話数がわかりやすいのではないだろうか。

 ざっと見渡してみると、穂乃果が本筋に関わってくる話は1~3話と11~13話だということがわかる。きれいに序盤、中盤、終盤に分かれているのだ。*2

 つまり、ラブライブ! の構成は大体次のように分けられることになる。スタートアップの1~3話、仲間集めやメンバー間のやりとりを描いた4~10話、そしてラストスパートの11~13話。

 穂乃果は全般的に各話にかかわっているけれど、この中で特に密接にかかわっている話数はスタートアップの1~3話とラストスパートの11~13話だろう

 では、ここからは順当に1~3話で穂乃果が何を行ったのか、穂乃果の何が描かれているのかを見ていく。

 

序盤

 

 1~3話はまさにことほのうみの回といって過言ではない。メンバーはまだ三人しかそろっていない。先にも述べたとおり、ここで注目するべきことは穂乃果の動機であり、目標である

 廃校を阻止したいという動機は1話で過不足なく提示されている。この学校や町が好きだから。この町と一緒に続いてきた学校をなくしたくない。穂乃果が廃校阻止を目指す動機はそんなところだ。

 それを受けて2話では1話で提示された問題を次々と解決していく形で話が展開する。そして3話で廃校阻止という問題を解決するための手段である、アイドル活動の第一歩にようやくこぎつけるわけだ。

 3話のファーストライブは観客ゼロという完敗からのスタートだったわけだけど、来場したキャラクターに多大な影響を与えて、後のμ´sメンバーに加えられたという点では大いに成功したのだろう。そして、観客席にいたメンバーのみならず、舞台上で実際に踊った穂乃果にもまた少なくない変化が現れている

 新たな目標の追加あるいは目標の刷新である。

 ライブ終了後、観客が少ないことを指摘して絵里は穂乃果たちに「これ以上続ける意味はないと思うけど」と言う。廃校を阻止するためにアイドル活動をしているのに散々な状況を生んでしまってはもうこれ以上続ける必要はない、と。

 そう言われた穂乃果は、強気な態度でこう返す。

 

「続けます」

「なぜ? これ以上続けても、意味があるとは思えないけど」

「やりたいからです! 今、わたし、もっともっと歌いたい、踊りたいって思ってます。きっと海未ちゃんも、ことりちゃんも。こんな気持ち初めてなんです。やってよかったって本気で思えたんです! 今はこの気持ちを信じたい。このまま誰も見向きもしてくれないかもしれない。応援なんてぜんぜんもらえないかもしれない。でも、一生懸命頑張って、わたしたちがとにかく頑張って届けたい。今、わたしたちがここにいるこの想いを!*3

 

 穂乃果は絵里の主張を跳ねのけ、続けることを選んだ。

 つまりこれはどういうことかというと、先ほども述べたように、目標の追加、刷新が起こっているのだ。『アイドル活動で廃校を阻止する』という1話で提示された目標から『アイドル活動そのもの』へと目標が変化しているのだ。それを証明するかのように、以降の中盤ではメンバー集めが話の主軸になり、廃校問題は7話ラストまで脇に置かれることになる。*4

 1~3話の穂乃果についてのまとめはこうだ。廃校を阻止しようとして始めたアイドル活動だけど、やっていくうちに、その活動自体に魅力を感じるようになった。

 

中盤

 

 中盤に関しては話数が多いのでもう一度簡単に見ていこう。

 4話はまきりんぱな回だし、5話はにこ回、7・8話は絵里周りのこととテス勉回。9話はラブライブ! の聖地である秋葉にスポットをあてたついでにμ´sメンバーにメイド服着せたかっただけだし、10話は日常回と見せかけて、心を開くのが下手な真姫に希が絡む形で二人の背景を明らかにした回。そして6話はリーダー決め回。ラストでは、暗に穂乃果がリーダーにふさわしいということで落ち着く話。*5

 こういう風に見ていくと、ストーリー中盤において穂乃果は動いてはいるけど、実質的に穂乃果自身の物語は動いていない。話ごとのテーマを駆動させるような振る舞いをしている。たとえば5話ではうまい具合に、にこの本質を見抜いてμ´sメンバーに加えているし、8話では持ち前の前向きさで絵里に揺さぶりをかけている。9話では歌詞を任されたことりに親身に寄り添い 重要なアドバイスを与えている。こうして見ると、穂乃果は重要な役割を果たしているが、自身の物語はたいして変化していないのだ。持ち前の前向きさが絶対に必要だった序盤や内面に焦点が当たる終盤に比べると、影は薄い。

 では穂乃果を考えるにあたって、中盤は不要なものと切って捨ててしまっていいのだろうか。

 いや、そんなことはない。中盤で注目すべきは穂乃果がどう描かれているのかである。

 穂乃果は中盤においてあらゆる問題を解決するキーとしての役割を担っている

 閃きと直感で、ずばずば行動して次々に難題を解決して、そのついでにμ´sメンバーを増やしていく。その手腕に神々しさを感じてしまった視聴者も多いのではないだろうか。

 なんだコイツは。現人神か。

 中盤で提示された穂乃果のイメージは、それである。 そして、そのイメージこそが終盤での挫折に必要なことなのだ。

 

終盤

 

 さてラストスパートの終盤である。

 メンバー集めも終了し、10話でメンバー同士の垣根も取り払われたことで、いよいよ物語りは大詰めに入っていく。

 ここではまず、11話時点での目標が何になっているかを確認したい。

 3話終了時点からまたまた刷新が行われている。

 11話開始時点での一番重要な目標とはスクールアイドルの祭典『ラブライブ!』 への出場だ。この目標の刷新は7話、花陽が話を持ってきて、その後ランキングが上昇しているという事実を確認することで行われた。ラブライブ! への出場は、『アイドル活動自体を楽しむ』という目標の延長上にある目標だ。元々の目標が成長してできたようなもので、無理のある展開ではない。

 穂乃果は、この目標を達成するために11話から本格的に行動していく。

 だが、結果は知ってのとおり、失敗だ。

 目標というのは乗りこるべき壁でもある。乗り越えるにはがんばる必要がある。だから自分が何とかしないといけないと穂乃果は考えた。ここで自分がなんとかしなきゃと考えないようでは、まず廃校を阻止しようなんて考えは浮かんでくるはずもない。そしてラブライブ!出場にはあともうちょっとというところまできていた。だから穂乃果はあともうちょっとを埋めるために、必要以上に焦り、結果、空回りをしてしまった。

 このあたりの穂乃果の行動を理解するにはもう少し穂乃果の志向を見る必要がある。どうしてそこまで焦ってしまったのか。これは近親者の意見が一番わかりやすい。ということで12話の穂乃果母の台詞から引用する。

 

(お見舞いに来た絵里たちに対して)

「あの娘がどうせできるできるって全部背負い込んだんでしょ? 昔からずーっとそうなんだから」

 

 つまり穂乃果は色々一人で抱え込みがちで、こうと決めたら一人で突っ走ってしまうタチだということだ。11話での文化祭ライブ失敗を生んだ空回りは、穂乃果の性質が悪い形で出てしまったのだ。

 この事件についてもう少し周りを見ると、いつも穂乃果に寄り添っていることりが問題をかかえていた影響もまた大きい。突っ走ってしまう穂乃果をとめる役割の海未とことりが留学という問題をかかえていたことで、いつもならうまくいっていた三人の関係に齟齬が生じていたのだろう。その辺がなければ、文化祭ライブも成功していたのかもしれない。

 が、そうはならなかった。ライブは失敗し、『ラブライブ!』への出場も閉ざされる。

 その後、しばらく落ち込んでいた穂乃果だが、メンバーの励ましや不意に飛び込んできた廃校延期のおしらせで復活して決意を新たにする、というのが12話前半までの流れだ。

 ではここでストーリーを追うことを一時停止して、11話~12話前半までで穂乃果の内面がどう変化していたのか見ていこう。

 11話開始時点での穂乃果の目標はおおまかに分けて三つだ。

 ・廃校を阻止する。

 ・スクールアイドルを続ける。

 ・ラブライブ!に出場する(スクールアイドルを続けるの上位目標)。

 それが、12話前半で二つ消えた。

 入学希望者が増えたため、廃校は延期された。当面の間は、その心配をしなくてよい。だから目標にはならない。

 文化祭ライブでアクシデントがあったので、ラブライブ! には出場辞退の申請済み。目指したくても、もう目標にはできない。

 さて残る一つは、スクールアイドルを続けること、だけれど。実はこれが厄介。この目標自体は廃校阻止という目標から発生している。そしてこの目標があったからこそ、ラブライブ!に出場するという目標が生まれたのだ。つまり、この『スクールアイドルを続ける』という目標はほかの二つの目標と連鎖的に繋がっていて、ちょうど二つの目標をつなげる綱のような役割を果たしていたのだ。今まで廃校阻止や、ラブライブ出場といった目標を目指してきて、それが急になくなってしまえば、緊張の糸が切れるというか、宙ぶらりんの状態になってしまう。

 それは、13話の冒頭で絵里が丁寧に説明してくれている。

 

「正直、穂乃果が言い出さなくてもいずれこの問題にはぶつかっていたと思う。来年までだけど学校が存続することになって、私たちはこれから何を目標に頑張るのか。考えなきゃいけない時が来てたのよ」

 

 12話前半までの穂乃果とは不安定でどこか気が抜けた、そんな状態にある。

 そこに、幼馴染が留学でいなくなる。スクールアイドルも辞めるという話が舞い込んでくればどうなるか。しかも自分が突っ走っていたせいで、相談にものってあげられなかったという事実まで判明すれば。幼馴染の喪失。直前にラブライブ出場辞退という事件を気に病んでいる穂乃果に、追い討ちのように襲い掛かる事件である。

 

「大丈夫。いける。できる。今までもそうやって頑張ってきた。できると思えば、何だってやってこられた。大丈夫!」(11話文化祭ライブ開始直前の穂乃果の台詞)

 

 やり方は、今までと一緒だった。穂乃果にしてみれば今までと同じようにやっているのだからうまくいって当然のはずだった。ただ、少し突っ走りすぎたのと、周りの状況が悪かった。今まで直感とひらめきですべての問題を片付けてきた穂乃果だからこそ、この事件で自分に対する自信を失ってしまったのだ。それが12話後半の衝撃の展開『やめます、わたし、スクールアイドルやめます』に繋がる。その直前のシーン、暗い自室でアライズのステージを眺めている穂乃果が言う『敵いっこないよ、こんなの……』という台詞で、穂乃果がどれだけ打ちのめされているかがわかる。*6

 最後まで残っていた『スクールアイドルを続ける』という目標も、自信の喪失とともに消えてしまい、穂乃果がμ´sを続ける動機は、ついにどこにもなくなってしまうのである。

 つまり、ラブライブ!(アニメ)という物語が12話までに描いたこととは、穂乃果に目標を与え、邁進させ、その過程で自信をつけさせ、そして立ち位置がようやく安定してきたところで、それら与えたものすべてを一気に剥奪するまでの過程なのだ。

 

夢の始まり

 

 さてそんなこんなで目標素寒貧となった穂乃果が自信喪失したままなだれ込むのが13話。

 再生の話である。目標を失ったのならやることはたったひとつ。また新たな目標を見つけることだ。最終回であるこの回では、穂乃果が今まで成してきたことを振り返る形で立ち直りへと向かっていく様子が描かれている。

 クラスメイトに励まされ、にこりんぱなの練習風景に胸をうたれ、絵里と心を通じ合わせて、穂乃果は再び立ち上がる決心をする。12話までは、穂乃果が引っ張り上げる側だったのが、この話では今まで引っ張り上げられたお返しにと、ほかのメンバーが穂乃果を引っ張りあげる構図に変化しているのだ。

 まさに13話はこれまでの話の総括といえる位置づけにある。

 穂乃果が新しく選んだ目標も、13話Bパートにてお披露目される。

 

(講堂に呼び出した海未を前にして)

「やめるって言ったけど気持ちは変わらなかった。学校のためとか、ラブライブのためとかじゃなく、わたし好きなの。歌うのが。それだけは譲れない。だから、ごめんなさいっ。これからもきっと迷惑かける。夢中になって誰かが悩んでるのに気付かなかったり、入れ込みすぎて空回りすると思う。だってわたし、不器用だもん! でも! 追いかけていたいの! わがままなのはわかってるけど、わたし……!」

 

 穂乃果が選んだ目標とは、三人で行ったファーストライブのときに感じた感情でありここまでスクールアイドルを続けてこられた理由であり、突っ走ってこられた原点だ。

 なんだ、元々持っていた動機と変わらないじゃないかとそう思ったかもしれない。

 表面上は確かにそうだ。挫折から立ち直りはしたが、穂乃果がやろうとしていることは今までやっていたこととたいして変わらない。スクールアイドルを続けてまた新しい夢・目標を見つける。その後のラストライブでのMCではっきりそう宣言している。

 ただ、表面上は同じに見えても、その目標が生まれた土台は違う。

 先に述べたとおり、元々の『スクールアイドルを続ける』という目標は、廃校阻止やラブライブ! 出場に支えられたものだった。

 しかし、13話Bパートで穂乃果が行ったことは、何もないまっさらな状態から新しい目標として『スクールアイドルを続ける』ことを選び取ったのだ。今回の目標は何者にも左右されないものとなっているのだろう。

 加えて、今回はこんな宣言も付いている。

 また突っ走って迷惑かけてしまうかもしれない。でも追いかけていたい。

 迷惑をかける自分を肯定することだ

 11話~13話、穂乃果は一人で突っ走って、周りにいらぬ迷惑をかけたことを気に病んでいた。その結果、自暴自棄になってやめるという宣言までしたのだ。

 それを肯定するとはどういうことか。

 やっとのことで穂乃果にもメンバーを信頼する気持ちが生まれたということではないだろうか。

 どういうことかというと、穂乃果はどうも他人を信頼していないようなフシがある。*7というわけでちょっとここで12話までの穂乃果の行動を振り返ってみる。

 確かに穂乃果はすごい。人当たりがよく、行動力もあり、やるときめたらやるし、文化祭ライブで挫折を経験するまでは、ことごとく成功を収めてきた。自信も持てるだろうし、人から一目置かれる存在になるだろう。しかし、穂乃果はいい意味でも悪い意味でも周りを気にしない。

 海未に内緒で張り紙を貼るし、スカートの丈は短いままで押し切るし、部室は勝手に占拠して押しかけるし、理事長室には乱入するし、合宿では率先して遊ぶし、すぐ寝るし、文化祭ライブではあのとおり。

 穂乃果の行動は時として強引なのだ。繰り返すが、それはいいことでも、悪いことでもある。その性格だったからこそ、成し得たこともあるし、でき損ねたこともあるのだから。

 ただ、その、12話までの穂乃果の行動の中に、周り迷惑をかけた際のアフターフォローだとか、行動と結果がつりあわなかったときの勘定があったのかと考えてみると、ない、としか言いようがない。

 周りを気にしないだとか、周りに迷惑をかけることを考えていなくて、さらにその上強引だということ。そして、自分ひとりで問題を抱え込みがちで、勝手に突っ走って空回りしてしまうこともあること。以上のことから、穂乃果は周りに助けを求めずに自分だけでやってしまう性格なのだということがわかる。

 周りの了解を得ずにさっさと自分だけでやってしまう。それは周りを軽んじているということにつながる。そして、そんな一面がある穂乃果だからこそ、13話での『わたし、周りに迷惑をかけます!』宣言は大事な気付きになるのだ。12話で絵里に「でも少し周りが見えるようになったってことかしら」とも言われてることから、あの事件を通して穂乃果に周りを見る意識が生まれたことは確かだ。

 周りに迷惑かけるだなんてのは相手を信頼していないとできない。アニメ内の時間では、μ´sの歴史はまだ浅い。だから、十分な信頼関係が生まれてないのも無理はないし、むしろこのμ´s休止事件で新たな信頼関係が生まれたようにも見える。

 そうやって、新しい目標と周りへ迷惑をかけることを選び取った穂乃果は海未に背中を押されて、ことりを迎えにいく。そう、早速の実践なのだ。ことりの将来とその周辺に多大な迷惑をかけることと、新しい目標へ向かうためのメンバー集めの実践だ。

 そうして穂乃果はことりを連れ戻し、観客席満員のラストライブへとなだれ込んでいく。

 

物語の終わり

 

さてこれで穂乃果の話も終わり。

ということで最後にまとめ。

ラブライブは夢を追いかけることを主題にした話だ。それは監督のインタビューでも語られている。絵里の項で一度引用したが、ここでもう一度引用する。

 

――この全13話で、監督が一番描きたかったことはなんでしょうか?

京極:第8話の最後のサブタイトルにもなってますが、「やりたいことは」につきます。本人がやろうとすること、夢を目指すというのはなにかというのを掘り下げたというか。教科書には載ってないけれど、体感として得られるものってあるじゃないですか。それをμ´sといっしょにみなさんにも感じてほしかった。

 

 

 ラブライブという物語の中で穂乃果が与えられた役割とは、夢を追っていく過程で必ず付きまとう目標の喪失とそこから立ち直ること

 ただそこにもう少し意味合いを付け加えるとすると、穂乃果が夢を追う過程で周りを知っていく物語だとも言える。

 作中では希がスピリチュアルだということでたびたびタロットカードが出てくる。ちょうどそのタロットの一枚、愚者のカードのような位置づけに、穂乃果はいるのかもしれない。

 なんにせよ、μ´sの旅はまだ始まったばかり。終わりを気にするような声も色々あるけど、去年の11月に出た6thシングルはそれを払拭するような内容だった。2期だって控えてるし、パーティはまだ終わらないし、夢は見ようと思えばいつまでだって見続けられるってね!

*1:リーダーは暗黙の了解で穂乃果

*2:もしかしたら中盤はさらにメンバー終結前と終結後にわけられるかもしれない。でもあまりを必要性を感じないのでこう分類した

*3:ちなみにこの台詞は電撃G´sマガジンでラブライブ! が始まったときに書き添えられた最古参感涙の言葉

*4:理事長が「音ノ木坂は廃校とします」って言うまでたぶん穂乃果は忘れてたと思う。僕は忘れてた

*5:個人的には10話よりこっちのが日常回だと思う。メンバーがそろってないんからμ´sの日常回ではない、と言われたらそれまでだけど。

*6:このシーンの穂乃果の心情を理解した上で、アライズのprivate warsの歌詞を読んでみると面白い。失敗を経験し、足を止めてしまった穂乃果に対して挑発しているような内容に聞こえてくる。

*7:周りと仲が悪いということではない。人間関係は良好すぎるくらい