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メモ用紙を貼っ付けるコルクボードです。主に感想・雑文用。感想系はネタバレあるんで注意。

このブログの読み解き記事って何か意味あんの? その1

 たまに、アニメや漫画なんかをネタにした、シナリオ読解の記事をあげているんだけど、もしかしたらすごく誤解されているかもしれないので、一応僕がどういうスタンスでそれらを書いているのかということを明らかにしておく。

 初めにはっきりさせておきたいのは、それら読解記事はまず間違いなく制作者が作品に込めた意味合いとはかけ離れているだろうということ。*1

 

  かけ離れているってのは言い過ぎかもしれないけど、気持ちそれくらいの認識が

ちょうどいいかと思う。

 なぜならその読解記事を書いているのはほかでもない”僕”であり、そしてイチ受け手に過ぎない僕には制作者が考えていることなんてわかるはずもないからだ。

 こんな話を聞いたことはないだろうか。

 センター試験に出題される国語・現代文の問題に関してのこと。

 出題された問題の作者本人に設問を見せたところ、『選択肢のどれも正しくない』と言われたというエピソードがある。(似たような話 2chまとめブログに飛ぶので注意

【受験】大学入試で小説の読解問題をその作者が解いた結果wwwwwwwwwww - かれっじライフハッキング

 だから、とある作品は、作り手を通して読むのではなく、その作品の中身をそのまま自分なりに受け取ればいいというのが僕の考え。

 作り手全員が「この作品にはこんなテーマを入れよう」と考えているわけはなく、エンタテイメントに徹している人もいれば、ひたすらナンセンスな作風で突っ走る人もいることだし。

 仮に、書きたての原稿を持ってきて「この作品にはとあるテーマを込めました」という作家が来ても、たぶん僕はその意図を読み取れないと思う。

 そのすれ違いは、作り手の下手さからくるものでも、受け手の物わかりの悪さからくるものでもない。

 視点が違うのだ。

 作り手が伝わりやすさを重視してどれだけ論理的につくっても、受け手は無意識のうちに恣意的に物事を見る。本であれば原稿を収めて、流通に乗って、本屋に並べられて、客に手に取られた時点で、その本は受け手のものになる。あとは、本に書かれた文章と受け手の感覚が互いに働きかけ、内容を『作って』いくのだ。そこには作り手の意志が入り込める隙間はもはやない。

 少し話がずれたので元に戻す。

 ともかく、僕は作品のコンセプトやテーマを読み取るのは、基本的に作品内での情報で完結させるべきだと考えている。たとえ、作品内の要素から読み取れたことが、作り手のインタビュー記事と食い違っていても、重要視していいのは前者だと主張する。かなり傲慢なことを言ってるのは自覚してるけど、でも作り手の意図なんて、作品に対して百パーセント語ってもらわないことにはわからないし、そんなことされたらもう作品自体が必要なくなる。だから、僕は、できるだけ作品内から読み取れることから持論を作り上げて、作り手のインタビューなんかはあくまで副次的なものとして参考にすればいいというスタンスでやっている。

 と、言っても。作品内から読み取れることからと、言っても、そこにはかなり自分の背景や考え方のクセが入り込んでしまうのだけど。まぁ、そこが、同じ作品を見ても、人によって受け取り方が違ってきて面白いところではあると思う。

 さて、ここまででどんなスタンスで読み解き記事を書いているのかということはお分かりいただけただろうか。作り手の意図にまで言及している場合がたまにあって、読み解き記事では文脈上いちおう断定口調で書いてあることが多いけど、実はその部分に関してはかなり弱気なのである。だって論拠がないから。作品を理解する努力はできるだけするけど、そこから作り手がやろうとしたことを読み取ろうなんてのは難しい。テクスト*2から作り手の意図なんて読めないよ。テクストから読めるのは自分がどのように読み取ったかだけだ。

 

 では、そもそもの問題としてなぜ僕は読み解きなんてものをしているのだろうかという点について。

 それは、好きになったものに対して自分なりに意味を見出したいからだ。

 眠いので続く。

*1:たぶん作り手が読んだら「何好き勝手べらべら話してんだコイツ」と思われるだろう。

*2:ここではアニメなり漫画なりの文脈という意味で。コンテクスト