kurk board

メモ用紙を貼っ付けるコルクボードです。主に感想・雑文用。感想系はネタバレあるんで注意。

2014年冬アニメに見る『百合×ロボット』の可能性

 今期は『バディ・コンプレックス』を見ています。

 「百合オタなら今期は『咲-saki-』か『桜trick』だろう?」と思われるかもしれませんが、両方とも先の展開を知っているので、アニメでまで見る気は起きないんですよね。

 で、その『バディ・コンプレックス』ですけれど。

 なかなか面白いです。

 1話での唐突な展開や『ナイスカップリング!』『プロポージング!』といった特定視聴者層を明らかに意識した台詞に面食らいましたが、2話以降の安定感のある脚本と作画がポイント高いですね。

 また、世界観説明を『強力な資源を巡ってなんか戦争している未来』とワンシーンで済ませ、残りの尺を、キャラクターのエピソードとストーリー全体を覆うタイムパラドクス展開の仕掛けに使っているところにも好感が持てます。潔く、取捨選択ができているのでわかりやすいですね。そしてほぼ毎話入る戦闘シーンもお見事。ド派手でスピード感のある空戦は見てて、素直に楽しいと言えます。

 今のところ、腐臭も少なく、真っ当なロボットアニメとして見れます。ただ、サンライズの過去作品の影がちらつくデザインがところどころに見られます。サンライズが手癖で作っているようなロボットアニメである点は人を選ぶかも知れません。僕は『機動戦士ガンダムSEED』も『革命機ヴァルヴレイヴ』も見たことがないので楽しめていますけど。

 それで、ですね。

 ここからが本題なんです。

 もし『バディ・コンプレックス』を百合的にアレンジすると、どうなるでしょうか?

 

 

 

 まず、主人公は女の子です。

 当たり前ですね。主人公が男では百合物は成立しません。そして、1話で登場する主人公の親友も当然女の子です。親友は主人公と一緒に女子バスケで頑張っていましたが、怪我をしてしまったので、この高校に入ったという過去を持っています。その親友は主人公のことをこう評するわけです。

「あの子、私が怪我して療養のためにこの学校を選んだのを追いかけてきてくれたんだ。いい子でしょ?」

 ああ、キマシたね。

 百合オタならもうここでレーダーが反応しているはずです。怪我した親友のために学校を選ぶ。これは大きい百合ファクターですね。しかしこんなものは序の口です。

 主人公を取り囲むもっと重要なキャラクターとして、メインヒロインである転校生がいます。元ネタではこのポジションは女の子ですが……もちろん百合版でも女の子です。ここで性別反転させる愚は冒しません。ぬかりないです。主人公に対して頬を染めたり、ワープする前に髪飾り渡すという濃厚な百合イベントが1話から披露されるわけです。

 そして未来世界へとんだ後、主人公は生き残りをかけて、ダウナー系ヒロインとプロポージングしてナイスカップリングするわけですね。最初は素っ気ない感じだったのが、主人公と修羅場をくぐるにつれて打ち解け、最終的には――。

 ……よしこの百合アニメの二次創作を書こう(錯乱)。

 はぁ。

 この設定パクって誰か書かないかなぁ?!

 と、ここまで適当にアレンジしてきたわけですが、『百合×ロボット』には結構可能性あると思うんですよ。このくくりで一番に思いつくのは『神無月の巫女』ですが、主人公たちがロボに乗るわけではないので少し違いますね。

 あとは……アニメでは思い浮かびませんが、意外にもライトノベルでこのカテゴリは多いです。知ってる限りでは『空に欠けた旋律』『誰よりも優しいあなたのために』『龍刃機神と戦う姫巫女』などでしょうか。ただし、この中で恋愛まで描写されているのは、『空に欠けた旋律』のみです。他は女の子同士の絆を書いたものです。それはそれでおいしいのですが、狭義の百合定義からは外れますね。加えて、百合とロボットという要素がカップリングシステム並みに必然性を持っている作品は、この中にはありません。この三作品はロボットに乗っているヒロイン同士の関係を描写したものです。『バディ・コンプレックス』のカップリングシステムのように百合を際立たせるためにロボットを舞台装置として昇華させたものは残念ながら見たことがありません。

 ただし、似たようなものならば、あります。

 ロボット物というカテゴリからは外れますが、実は、『バディ・コンプレックスを百合的にアレンジ』のコンセプトに一番近いのは、僕の魂のアニメ『シムーン-simoun-』だったりします。

 なーんだ。じゃ、はじめっからそれを参考にして書けばいいんじゃん。誰かが。

 て、ことですね。

 舞台装置がロボットである必然性とか、『これ、兵器、人型である必要あるの?』ってのと同じくらいないよ! 「ロマンだから」以外にないに決まってますよ!