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メモ用紙を貼っ付けるコルクボードです。主に感想・雑文用。感想系はネタバレあるんで注意。

ラブライブ! 2期5話見たので感想

 もうね……ほんと、諸々がね、最高でしたね!

 僕が5話を最高だったと主張する理由は、テーマがわかりやすかったからです。

 つまり、5話の中心人物である凛の克服すべきところがわかりやすく示されていて、かつ納得のいく方法で問題が解消されていたということです。

 はい、ここから自己満足読解入ります。わかりやすかったんなら読解なんてやる必要ないのに、という声には耳をふさいで。アーアー! 聞こえなぁーい。

 

 

 今回の話をまとめると、「凜が持つ自信のなさを提示し、そしてライブにて解消した」というところでしょう。

 まず凛がμ'sの一時リーダーに選ばれることから話は動き始めます。

 絵里や他のメンバーは、一年生の中で凛がリーダーに向いているという理由で選んだわけですが、凛はその決定に対して猛反発します。

 自分はリーダーに向いてはいない、他のメンバーのほうが向いている、と。

 その後練習を終え、花陽や真姫と下校しているときにも、凜はその主張を繰り返します。

 ここ重要なんで、発言を抜き出してみましょう。

 

やっぱり凛にリーダーは無理だよ

 

二人とも自分がリーダーになりたくないから凛に押し付けたんでしょ?

 

だって凛なんてぜんぜんリーダーに向いてないよー

 

ほら、凜、中心にいるようなタイプじゃないし

 

それはそうだけど……凛は別だよ。ぜんぜんアイドルっぽくないし。

 

そんなことないよ。だってかよちんはかわいいし、女の子っぽいし。

 

引き受けちゃったし、穂乃果ちゃんが帰ってくるまでだから、リーダーはやるよ。でも、向いてるなんてことは……絶対ない!

 

 かわいくない、アイドルっぽくない、リーダーに向いてない。

 極めつけは『凛なんて』。

 アイドルグループでリーダーを務めるにあたって、おおよそ考えられる後ろ向きな発言ですね。

 でも、そういった発言をしている理由は、凛が怠惰だからでも、性格に難ありだからでもありません。

 後ろ向きな発言をしてしまった理由、それは凜が持つ自信のなさにあります。

 花陽は言います。

 

凛ちゃん、小学校のころ、ずっと男の子みたいって言われてて、スカートとか履いてくとからかわれて……。

 

 つまり、凛には、過去の経験から『自分のことを、かわいい女の子と認められるだけの自信がない』ということです。

 この後の展開ですが、かたくなにセンターを断るのもこれが原因ですね。

 リーダーになること(アイドルグループのリーダーなんだからかわいくなくちゃだめという思い込み)やセンターになって目立つこと(かわいくない自分が目立つのはよくないという思い込み)、そして自分が女の子っぽくないと思い込んでいること。

 それらすべての思い込みの根っこ、『女の子としてのかわいい自分』を認められないところに、すべての原因があるわけです。

 その後、センターでドレスを着て踊る、という状況になった時も、凛は猛反対します。

 

無理だよ。どう考えても似合わないもん。

 

だって凜、こんなに……髪、短いんだよ?

 

こんな女の子っぽい服、凜には似合わないって話。

 

それはみんなと同じ衣装だし、端っこだから。

 

とにかくμ'sのためにも凜じゃないほうがいい。

 

 その後、花陽がセンターにという話になって表面上は喜ぶ凛。

 ドレス姿の花陽を見つめるところや自宅でワンピースをあてがっているシーンで、女の子っぽさを諦めきれていないという描写があります。

 余談ですけど。

 この自宅のシーンでピンときた方も多いと思うのですが、今回の凜が抱える背景って、1期の4話に描写だけされて、そのまま置き去りにされてた問題なんですよね。他、school idol diary星空凛編でも、ことりにドレスアップされるエピソードがあります。凛が持つ『女の子っぽさへの憧れ』はメディアの違いを超えて共通しています。凛というキャラクターを形作る外せない要素なのでしょう。

 

 ラスト、ファッションショーでのライブです。

 穂乃果との電話を経て、花陽は凛にセンターを譲ることを決めます。

 ここで重要なのは、花陽の発言ですね。

 μ'sに入ることをためらっていた自分の背中を押してくれたのは、凛だから、今度は私の番だと。

 そして凛の自信のなさに効くやりとりが以下の通り。

 

真「みんな言ってたわよ。μ'sで一番女の子っぽいのは、凛かもしれないって」

凛「そんなこと……」

花「そんなことある! だって、私がかわいいって、思ってるもん! 抱きしめちゃいたいって思うくらい、かわいいって思ってるもん!」

真「花陽の気持ちもよくわかるわ。見てみなさいよ、あの衣装。一番似合うわよ、凛が」

 

 凛の持つ、かわいさ、女の子っぽさを思いっきり肯定するシーンです。

 そうしてメンバーに後押しされ、舞台に立ち、ライブにて自分を認めることができるようになり、自信をとりもどすという筋書きで5話は幕を閉じます。

 最後に、私服でスカートを履けるようになった凛を映して。

 

 今回、凛だけでなく、花陽や真姫、そしてほかのメンバーにも見どころがあって(凛に迫るにこやモデルにスカウトされる絵里、野生のちんすこう『夏色ネタ!』希とか、トランプに励むことうみとか。一番驚いたのはちゃんと先輩してる穂乃果)とても面白かったです。

 ライブが持つ『かわいいから注目される』という特性と凛が持つ『自分のかわいさに自信が持てない』という思い込みがうまく組み合わせてあって、とても納得のいく良い話でした。